君色の空
「この笑顔を、守りたいって思ってたのにな…」

どこか悔しそうに言うお父さんの声に、引っ込んでいた涙が、またあふれた。

「渚ちゃん。私、やっぱり結婚延期しようと思うの」

「え?」

「今やっと、家族がひとつになれたんだもん。

私なんかが一緒に暮らしたら、お邪魔虫だもんね!?」

鼻の頭を真っ赤にして、悠里さんはそう言った。

「渚が言ったように、高校卒業してからでも遅くないかな? と思ってさ」

お兄ちゃんが、そう言葉をつけ加えた。



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