君色の空
それから、

『お母さん、やめて!
渚が怖がってるから!』

叔母さんに、そう言ってくれたモモちゃんが、すごく頼もしいヒーローのように感じたんだ。

でも叔母さんには、その声は届かなくて、私にとどめの一言を放った。

『あんな子なんて…』

その言葉は、私にはあまりにも衝撃的で、一気に血の気が引いていき、モモちゃんの体温さえも感じられないほどに冷えていった。

今のモモちゃんは、あの日の私のように冷え切っていたから、私のぬくもりを少しでも届けたいと思った。



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