君色の空
慎一くんの真似をして、親指を立ててウィンクしてみた。

それは、以前の私だったら絶対にできなかったこと。

「やればできるじゃん!」

と、感動している様子の慎一くんを横目に、浮かない顔の早苗。

「ナギ、アタシと友達やめちゃう、ってこと!?」

「違う違う。
そうじゃないよ!」

私は苦笑いを浮かべて、手を横に振りながら完全否定。

「慎一くんと早苗が、二人で一緒にいられるように、私がじゃましないようにする、ってこと!」

ふたりきりでいたい時でも、私がひとりだったら気にする二人だからね。



< 209 / 230 >

この作品をシェア

pagetop