君色の空
『どうしてか分かる?』

無言で首を振る私に、

『妹がね、あなたの笑顔が一番の薬になる、って言ってたの。

だからあなたは、自分の笑顔を絵に書いてた。

私がいない時に元気がなくなっても、この絵を見たら元気が出るかもしれないから。

あなたはそう言って、自分の絵を書き続けていたのよ。

だから妹も、あなたのためにも、私は生きなきゃいけない。簡単には死ねない。

そう言って、後一年と言われた命で四年も病気と闘った…。

最期は力尽きて、静かに眠るように旅立っの』


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