君色の空
食事の時間を除いては、日が暮れるまで屋上にいることが多くなった私。

面会に訪れた早苗や慎一くんとも、よくここで話したし、二人の笑顔をプレゼントしたりもした。

『退院したら、カラオケに連れて行って!』

という私に、

『ナギ、夕飯の支度はいいの!?』

と心配顔の早苗。

『いいの。夕飯はお兄ちゃんのお嫁さんに作ってもらうから』

笑顔で、そう答える。

きっとお母さんだって、私を台所に縛りつけてしまうことに、心を痛めていたはずだから。

『退院したら、これからいっぱい遊ぶんだ!』



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