君色の空
さなぎから、蝶が飛び立つように。

私も、長いことできずにいた自分の殻をようやく破り、空へと羽ばたけた気がする。

暗かった自分の人生を、これからどんな風に描こうか。

真っ白なキャンパスを前に、胸がドキドキしていた。

どんな絵にするか、どんな色を塗るのか、全部自分で決めていい。

お父さんやお兄ちゃんの一言を、悪い方にとらえて落ち込む必要もない。

だって私が笑っていることを望んでいるのは、ふたりなのだから。

子供の頃は『天使』と言われた笑顔を、私は絶対に取り戻してみせる。



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