君色の空
頬を赤く染めて、男の子の笑顔が咲いていた。

『母さんと暮らすために引っ越しの準備してたら、額に入ったこの絵が出てきたんだ』

そう言って、この絵を持ってきてくれたモモちゃん。

『父さんの地元に行く前に病院に寄ったら渚が一生懸命絵を書いてて。

しばらく会えないと行った俺に、渚が俺の似顔絵を書いてくれたんだよな。

俺も、この絵が出てくるまで忘れてたんだけどさ…』

と、どこか照れくさそうに笑ってくれた。

お母さんが『元気』になると言ってくれた、私の絵。

マジマジと見つめると、ニンマリしてしまう。



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