君色の空
モモちゃんの存在も忘れて、ひとり自嘲気味に、つぶやいてしまった私に、

「それが渚の個性だよ」

間髪を入れずに、モモちゃんはそう答えた。

「みんなが、『空は青い』って言っても、渚にはピンクに見えるなら、ピンクに塗ってもいいんだよ。

その他大勢の意見に合わせる必要も、誰かの真似もする必要もないんだから」


優しく諭すようなモモちゃんの言葉に、胸が熱くなるのを感じた。

『私は私でいい』

そう言ってもらえると、気が楽になる。



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