君色の空
お腹の痛みは、薬を飲んでも、なかなか治まってはくれなかった。

ズンズンするような鈍い痛みは、今までに経験したことのないもので。

脂汗が額ににじむ。

お腹を抱えて、ベッドから這い出た。

机の上の携帯から、電話をかけようと腕を伸ばす。

後、もう少し。

というぐらいの距離まで近づいた時に、絶妙なタイミングで携帯が着信を知らせてくれた。

かけてきた相手が誰だったのかわからないまま…。

私の記憶は、そこで途切れた。



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