君色の空
気がつくと。

「ここ…」

自然と流れる景色。

私は車の中だった。

「気がついた!?」

横には早苗。

助手席には慎一くん。

「大丈夫か!?」

いつもの爽やかな笑顔ではなく。

憂いを帯びた表情で、私を見つめていた。

「三船。もうすぐ病院に着くからな!!」

運転しているのは、教育実習で私達のクラスを担当している、百川センセイ。

みんなに、『モモちゃん』と呼ばれている、社会科のセンセイだ。

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