君色の空
いつも先に来ている彼女は、遅れてきた私を見るなり、開口一番、『遅い!』とぼやく。

それが毎日のこと。

『ごめん。ごめん』と、おどけた口調で謝ると、それ以上は何も言わないけれど


不機嫌そうな雰囲気は、その場に漂わせたまま、気まずい空気が流れる。

同じ歳なのに、なぜこんなにも気を使わないといけないのかと、疑問に思うこともあるけれど。

彼女は一応、親友だから。

へらへら笑って、気にしないようにしていた。


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