君色の空
いつの間にか、私は眠ってしまっていたようだった。

人の気配を感じて、ゆっくり目を開けると、

「ごめん。
起こしちゃった!?」

そこにいたのは、悠里さんではなくて。

早苗だった。

「ひとりで来たの?」

その問いに、深い意味はなかった。

ひとりだったから、そう聞いただけ。

なのに。

「手術したばっかりだから、みんなで押しかけるのも、どうかと思って。

今日はアタシだけ、ナギの様子を見に来たの」
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