君色の空
「はあ!?
何ソレ!?」

今日の私は、気持ちが沈んでいたから。

いつものような冷たい言葉を、冷静に受け止めることができなかった。

頭では、『ダメ!』。

そう叫んでいるのに。

一度開いてしまった唇は、なかなか閉じてくれない。

「何!?
私のせいで、慎一くんと付き合えないとでも、言うつもり!?」

怒り口調で攻撃する私に、

「そんなんじゃないけど…」

と、口ごもる早苗。




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