君色の空
全て偽物。

そう思って、生きてきた。

「いつもナギの方が遅いから。今日はワザといつもより遅く家を出たの!」

彼女は決して謝らないで、言い訳をする。

でも、濡れたままの髪の毛を見たら、一目瞭然。ウソだってバレバレ。

(ただの寝坊でしょ!?)

そう思うけれど、口には出さない。

見せかけの友情ごっこを保つには、絶対に言ってはいけない言葉もある。

< 6 / 230 >

この作品をシェア

pagetop