君色の空
早苗は私の肩をゆすりながら、そう言った。

私も、早苗の肩を抱いて、一緒に泣くことができたなら。

もしかしたら、関係は修復されたのかもしれない。

お互いに、『言い過ぎたね』『ごめんね』と、言い合えたら。

お互いに、許し合うことが出来たのだと思う。

でも私は、それを拒絶した。

『生きてて良かった』

そう思えることが、この先、いくつあるだろう?

いや。そう思えることは、多分ない。




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