君色の空
彼の気持ち
早苗が出て行った後の病室には、後味の悪さだけが残った。
こんな風に誰かに、自分の気持ちをさらけ出したのは、初めてだと思う。
それが早苗だということが、なぜか気に入らなくて。
彼女の香水の匂いが、微かに残る病室の空気が、よどんで見えて。
私はあわてて、窓を全開にした。
新緑の季節。
緑の深い、清々しい空気が、嫌な私の心を洗い流してくれるようだった。
こんな風に誰かに、自分の気持ちをさらけ出したのは、初めてだと思う。
それが早苗だということが、なぜか気に入らなくて。
彼女の香水の匂いが、微かに残る病室の空気が、よどんで見えて。
私はあわてて、窓を全開にした。
新緑の季節。
緑の深い、清々しい空気が、嫌な私の心を洗い流してくれるようだった。