君色の空
『勝手にする』

そう言って病室を出て行った早苗は、次の日、姿を見せることはなかった。

…それでいいんだ。

あんなに派手に、言い合ったんだから。

顔を見ても、気まずいだけ。

いまさら笑って、話しなんて出来るはずがないんだから。

そう、自分に言い聞かせた。

私の言葉が、早苗を傷つけたとしても、それで良かった。

我慢していたら、いつかもっと大きく、爆発していたのかもしれないのだから。






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