君色の空
「元気か?」

ベッドに横になり、ウトウトと、まどろんでいた私の眠気を吹き飛ばしたのは。

そう言いながら、部屋に入ってきた慎一くんの声だった。

ぎこちなく笑って、『うん』。短く答える。

「秋山さんと、派手にケンカしたんだってな!?」

私の顔を見るなり、単刀直入に話を切り出した。

「ケンカじゃなくて、決別したの」

私は短く、そう答えた。




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