君色の空
八つ当たり、だったのかもしれない。

私を見捨てて、慎一くんの所へ行こうとしている早苗を、許せなかったのかもしれなくて…。

そんな自分の醜い心を、早苗に悟られたくなくて、結局早苗を傷つけてしまった。

「サイテーなのは、私の方だった…」

泣いたって、悔やんだって、仕方ないのに。

今までため込んでいたモヤモヤを晴らすかのように、私はずっと泣き続けていた。

それを、慎一くんがずっと見守ってくれていた。



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