君色の空
「所詮、俺には手の届かない『高嶺の花』だったってことだよな?」

あっけらかんとして、そう言って、諦めにも似た感情でさえ見え隠れするけど。

「本当にそう思ってるの?」

つい、そんな言葉が出てしまった。

「どういう意味だよ!?」

私の考えが図星だったのか、一瞬で不機嫌そうに眉をしかめた慎一くんに、睨まれた。

「簡単に諦められちゃうような恋だったなら、私のことダシに使わないでよね!?」



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