君色の空
点滴をしなくても良くなって、ヒマを持て余した私はブラブラと院内を散策してみる。

こうして自由を手に入れると、何もやることのない退屈を思い知る。

売店でファッションやパズルの雑誌やコミックを書うことしか思いつかない自分は、なんてつまらない人間なんだろうと思った。

ナイロン袋を片手にエレベーターに乗り込む。

外科は4階だったから、4のボタンを押そうとして右手の人差し指を伸ばした。



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