君色の空
しばし、躊躇した。

目の前に並ぶボタンの、屋上を示す『R』の文字から目が離せなくなったんだ。

なぜか無性に屋上に行ってみたい衝動にかられて、ボタンを押そうとして指先を伸ばした。

と、入口からスッと人が入って来て、素早く2のボタンを押した。

光る2のボタンに、ドキッとして我に返ると、あわてて4のボタンを押す。

と同時に扉が閉まり、エレベーターは動き出した。


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