君色の空
密閉された空間に、知らない人と二人きり。

そのシチュエーションに、嫌悪感を覚える。

『早く、早く!』と心の中で念じてしまう。

二階で人が降りるのを確認し、閉ボタンを素早く押した。

ひとりになると、ふーっと深いため息がこぼれた。

ほんの数分の間に、全身からうっすら汗をかいていた。

一気に疲れてしまった私は、足取りも重く、自分の病室へと向かった。

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