君色の空
「うん」

と軽い返事をしつつ、中に入るのをためらっている様子の早苗。

何か話しかけなきゃ。

という意識が、私を饒舌にしてくれる。

「今ね、雑誌見ながら早苗に似合うだろうなぁ…って、思ってたところだったんだよ?」

「え!? どれ!?」

目を輝かせて、早苗が近づいてきた。

私はちょうど開いていたページをそのままに、

「この中に早苗がいても、違和感ないよね!!」

と言った。



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