光が見えるまで
序章
夢か現実か
…またこの場所
…ここは何処なんだろう
こうして何度も来ているのに
景色も天気も変わらない
ただ暗闇の中、もう使われていないであろう線路と汽車があるだけ
その暗闇には霧が深くかかっている
何故その様子がわかるかというと
弱いヒカリを放つ三日月が私を照らしているから
空はどんよりとした厚い雲がかかっているのに
星さえも見えないのに
雲は三日月だけを隠さないように
三日月を囲んでいた