光が見えるまで
『そういえばもう雅輝くんから聞いたかもしれないけど、雅輝くんのお母さんもうすぐ退院できるみたいよ。』
『えっ…!?』
そんなこと雅輝は一言も言ってなかった。
でもちょっと待って…
それってつまり…
『雅輝のお母さんが退院したらもう雅輝は病院に来ることはなくなるってことですか?』
『えぇ、そういうことになるわね。余計なこと言っちゃってごめんなさいね。てっきり私もう聞いてると思ってたから…』
申し訳なさそうに目を伏せている看護婦さん。
でもそんなことは気にならないくらい私は混乱していた。