光が見えるまで
今更自分の気持ちがはっきりするなんて…
自分の鈍さに嫌気がする。
もうなにもかも遅いのかなぁ…
一度考え込むとマイナス思考が止まらなくなってしまう。
ヤバイ、泣きそうっ
私が下を向いて涙を拭こうと手を目の方へ持って行った瞬間だった。
『茶歩!』
『…えっ』
今雅輝の声がした?
気配を探ってみると、誰かがドアの近くに立っているのがわかった。
でもさっきまで一緒にいた看護婦さんじゃない。
なんというか…男の人の気配がする。
どうやらいつの間にか私が気がつかないうちに看護婦さんは私の部屋から出て行ってしまっていたようだ。
と、なるとこの気配は…
『…雅輝?』
かすれた小さな声を振り絞って言葉にする。
『おう!ってお前なに泣いてんだよ!?』
雅輝が駆け寄ってくるのがわかった。
と言ってもそんなに広い病室ではないため2、3歩で雅輝は私の前に来た。