光が見えるまで

どれくらい泣いていたのかはわからない。


ただ雅輝が心地いいリズムで私の頭をポンポンってしてくれているというコトがとても嬉しかった。



ようやく私が泣きやむと、雅輝は私の瞳を優しい瞳で見ながら

『落ち着いた?
どうしたんだよ。俺で良かったらいつでも話し相手にはなってやるぜ?』

と言った。


でも私はその言葉を聞いてツキンと心が痛くなった。


『…っき』


『えっ?』


『雅輝の嘘つき!!!何が"いつでも話し相手になる"よ!!!もうすぐ雅輝は…私と会えなくなるんでしょ?なのに"いつでも"なんて言わないでよ!!!』


『ちょ、ちょっと落ち着けって!いつ俺が茶歩と会えなくなるって言った?』


『雅輝は言ってない。でも…もうすぐ雅輝のお母さん退院するんでしょ?』


『!お前どうしてそれを…』


『看護婦さんが教えてくれたの。だからもう雅輝が病院に来る理由がなくなるでしょ?だったらもう会えなくなるじゃない!!!』


私がそう叫んでまた泣き出すと、突然暖かい温もりに包まれた。

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