15才でママになった理由(わけ)
悔しくて、何も言い返せない自分が情けない。


分かってる。


中学生の私が子供を育てられない事ぐらい。


我儘言っても良くないですか。


「俺も奈都ちゃんに甘え過ぎた。琢磨は自分で育てなきゃ駄目だな。直ぐには無理だけどアパート探して、なるべく早く琢磨と出ていくよ。」


その時、琢磨が激しく泣いた。


いつもと様子が違う。


顔色も悪く苦しそうだ。


「喘息の発作かも知れない。阿紀がそうだったから。」


琢哉さんが車を運転して、私が琢磨を抱え助手席に乗った。

母が琢磨を抱こうとしたら、琢磨は苦しいのに暴れたのだ。

肩で息をして苦しそう。


「奈都じゃないと駄目だから仕方ないわ。病院へは連絡したから早く行きなさい。」


救急で大きな病院へ行く事になった。


琢磨は小さな体で必死に耐えている。


琢磨は小児喘息だった。


風邪もひいていたのだ。


駄目だな、私。


琢磨のママになるなんて、偉そうな事言って、琢磨が風邪ひいていたのにも気付かなかった。


ママ失格だ。


私は琢磨のママになれない。


ごめんね。


琢磨。


琢磨のママになれなくて、本当にごめんなさい。








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