15才でママになった理由(わけ)
琢磨といられるんだ、そう思うと嬉しくて琢磨を抱き上げた。


「せっかく寝たのに。」


だって、嬉しいから。


「いいの、いいの、オムツ変えなきゃいけないしね。オムツとおしりふき取って。」


「はい、はい、ママ。オムツ買わないといけないな。」


うふふ、ママだなんて嬉し過ぎる。


多分アホみたいな顔をしてると思う。


「琢磨のパジャマも買って来てほしい。毎日洗濯出来ないから。」

琢磨は汗かきだから、パジャマも毎日変えてあげないと。


「分かった後で買って来るよ。俺たちの食べるものも買わないと。奈都ちゃん昼ごはん食べた?」


食事することを完全に忘れていた。


琢磨が心配で、それどころではなかったのだ。


「もしかして忘れてた。食いしん坊の奈都ちゃんにしては珍しいな。」


二人で笑っていると母が病室に入って来た。


「琢磨は大丈夫なの。 」


「もう、すっかり元気だよ。」


ぐっすり眠ってるし。


「明日は俺が会社休むから、学校へ行ってよ。入院は二三日で済むみたいだから、明後日は土曜日で仕事休みだからね。」


嫌だよ。


私が付き添う。


「奈都学校へは行きなさい。勉強も頑張って高校へも行ってほしい。琢磨には奈都が必要な事はわかったから、安心して。」


嬉しい。


母さん、ありがとう。


涙が止まらない。


琢磨といられるなら、嫌な勉強も頑張る。


琢磨の為なら、なんだって出来るから。











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