15才でママになった理由(わけ)
鈍感な琢哉さんが何だかおかしくて、笑ってしまった。


「へんな奴、泣いたり笑ったり。」


「へんな奴って、失礼だよ。」


女の子に普通、へんな奴とか言わないでしょ。


唇を尖らせて、おどけて見せた。


「阿紀の事思いだしても奈都ちゃんが一緒にいるから、寂しいとは思わない。阿紀の事は一生忘れないでいたいと思う。」

お姉ちゃんの事、忘れないでいてくれてありがとう。


お姉ちゃんは幸せだね、こんなにも琢哉さんに愛されて。


私がどんなに琢哉さんを思っても、お姉ちゃんに敵う訳がない。


もう一度、静かに目を閉じた。


あれ、お姉ちゃん?


お姉ちゃんの声が聞こえた。


《奈都、私に遠慮しなくていいから琢哉に自分の思いを伝えなさい。琢哉もきっと・・・・》きっとなんなのお姉ちゃん?


お姉ちゃん、聞こえないよ。


もう一度言って。


お姉ちゃんは何を言おうとしたの。


この思いを琢哉さんに伝えても本当にいいのだろうか。



決心はつかないけど。








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