15才でママになった理由(わけ)
風間と南さんがお見舞いに来た。


風間が大きな花束を抱えている。


お見舞いの花なのか。


相手は赤ちゃんだぞ。


「このお花は私が好きなユリなの。綺麗でしょ。」


南さんから花束を渡されて俺は困ってしまった。


臭いがきついな。


「喘息の子供にユリはどうかと思いまけど。ユリの花粉は喘息にはよくないんですよ。」


奈都ちゃんが怖いです。


「ごめんなさい。知らなくて。」


うまく言わないとこれは不味いと思い。


「南さんありがとう。本当に綺麗だ。花瓶がないから、家に持ち帰って飾らしてもらうよ。」


奈都ちゃんが琢磨を抱き病室から出て行った。


ユリの匂いがきつ過ぎる。


「俺は奈都ちゃんのとこ行って来るから、二人でゆっくり話でもしてよ。」


風間、出て行くなよ。


頼むから南さんと2人だけにしないでくれ。


今の俺には南さんと話す事などない。


南さんの熱い視線よりも奈都ちゃんが心配だ。


どうしたらいいんだ。


南さんの顔が見れない。




















< 154 / 320 >

この作品をシェア

pagetop