15才でママになった理由(わけ)
風間がさっきから俺を睨んでるのは、どうしてなのか。


風間は多分俺の気持ちに気づいてるはず。


「奈都ちゃん家まで送るよ。明日学校あるだろ。」


風間がうざく感じた。


「琢磨心配だし、明日退院だから病院に泊まろうと思う。秋人と直人によろしくね。」


風間が俺をちらりと見た。


何か言いなら、はっきり言えよ。


「分かった。なんかあったら電話して直ぐに来るから。」


「ありがとう、真人さん。」


風間の視線が怖かった。


「風間、悪かったな。」


風間が俺を睨んで言った。


「奈都ちゃんに感謝して下さいよ。これ以上奈都ちゃん泣かしたら、俺琢哉さんを許しませんよ。」


風間は奈都ちゃんの事、本気なんだ。


奈都ちゃんは風間と一緒にいた方が絶対幸せになる。


俺の思いが奈都ちゃんに届く事はない。


奈都ちゃんを苦しめるばかりいる俺が、幸せになろうとしては駄目なんだ。


これ以上奈都ちゃんに甘えてはいけないから、今まで以上に子育てを頑張る決心をした。








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