15才でママになった理由(わけ)
泣いている南さんは、父親に抱き抱えられるようにして帰って行った。


南さん、今度こそ幸せになってほしいです。


「奈都は大丈夫か。 」


秋人は本当に心配性だね。


「ありがとう、大丈夫だよ。」


「俺たち部屋に戻るから、琢哉さんとゆっくり話しなよ。」


うん、そうするね。


「ありがとう、真人さん。」


みんなは部屋に戻って行った。


気まずくて、どう話しかけていいのか分からない。


「奈都ちゃんといる心地良さに、自分が負けそうになるのが怖いんだ。奈都ちゃんを好きになっていいのかな。15才の奈都ちゃんに、琢磨の母親になって貰っていいのだろうか。」


今さら、そんな事言わないで。


「琢哉さんずるいよ。私は琢磨の母親のつもりているのに。」


琢哉さんのばか。


「奈都ちゃん、お願いだから泣かないで。」


「琢哉さんが泣かすようなことばかりするから。」


琢哉さんは本当に意地悪。


どこまでもはっきり言おうとしない。


琢磨さんの本当の気持ちを知りたいのに。


琢磨さんは私が好きですか。


私の気持ちは決まっています。


琢哉さん、お願いだから、一歩踏み出して。









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