15才でママになった理由(わけ)
お母さん助けてよ。



母さんなら私の気持ち分かってくれるよね。



大好きなお父さんの子供を、一緒になれなくても生んだ。



私がお腹にいた時、お父さんがいなくても迷わず私を生んだんでしょ。



だったら、私の気持ち分かるよね。



分かってくれるよね。



「母さん、生みたい。琢哉さんの子供生んでもいいよね。 」




母さんは泣いて何も言わない。



診察室にお父さんが入って来た。



「奈都、少しお父さんと話しをしよう。」




私と母さんは父さんの後について行った。



案内されたのは、関係者以外立ち入り禁止の病院の休憩室だった。



薄暗い部屋に入り私たちは座った。



「ここは使われてない、誰も来ないから安心していいよ。ちょっと待って飲み物持ってくるから。」




お父さんは何を話そうとしているのかな。



子供をおろせとか言うのだろうか。



母さんはさっきからずっと泣いていた。




私が両親を苦しめているのか確かだけど、琢哉さんの赤ちゃんを生みたい。










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