15才でママになった理由(わけ)
琢哉さんに抱かれた琢磨が大泣きしていた。


パパに抱かれて、大泣きする琢磨。


「琢磨おいで、奈都ママですよ。」


琢磨は私の顔を見ると直ぐに泣き止んだ。


本当に可愛い。


「奈都ちゃんその服は阿紀の。 」


琢哉さんには分かってしまうんだ。


「お姉ちゃん買ったままで着なかったから、私が貰ったのいいかな。 」


琢哉さんに見つめられると、恥ずかしいです。


「奈都ちゃんが着てくれて阿紀も喜ぶよ。奈都ちゃんも白が似合うね。阿紀と同じだ。」


やっぱり、お姉ちゃんの服は着ない方が良かった。


姉の服を着てお姉ちゃんに近づけても、琢哉さんはお姉ちゃんを通して私を見てるだけ。


いつも間にか琢磨が寝ていた。


寝顔はまるで、天使だ。


「琢磨は俺が抱くよ。寝てるから大丈夫だろ。」


琢磨さんはパパなんだからもっと自信持って下さい。


琢磨を連れて買い物するのは本当に大変で、私たちはクタクタに疲れてしまった。


母さんはもう二度と買い物には行かないと言い出すし、我が儘なんだから我慢しなさいよ。


自分の母親なのに、情けない。


母さんは我慢出来ない人、母さんに似なくて良かったと思ってしまう。


私はずっと我慢ばかりして来た。


母さんに甘えたくても、甘え方を知らない。













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