15才でママになった理由(わけ)
マンションに帰るとリビングに母がいた。


母さん、なんか怒ってる?


「琢磨がどうかしたの。三人でいなくなるからビックリするでしょ。」


母さんに一声かけるべきだったと思った。


「琢磨が熱出して愛子先生に診て貰った。」


母さんが私たちをガン見した。


何よ、何も悪い事はしてない。


「愛子先生元気だったって言うか、二人して何でパジャマ。」


やっぱり、そう思うよね。


本当に焦ったんだ。


「琢磨の熱に私も琢哉さんも慌てて、着替えるの忘れたの。」


本当だから。


早く病気へ行きたかった。


「お母さんすみませんでした。パジャマ着てたから、小児科の先生に夫婦と間違えられて、奈都ちゃんに申し訳ないです。」


琢哉さん謝らないでいいから。


夫婦に間違えられて、私は嬉しかった。


「奈都はそんな事気にする子じゃないから心配はいらないよ。」

夫婦だなんて、恥ずかしいけど、本当は嬉しかったんだ。


夫婦に見えたって事は、琢哉さんに相応しい女性って事でしょ。


嬉しいに決まってるよ。


琢哉さんに似合う女性になるのには、何年かかるのだろう。

考えたくない。


考えると落ち込むから。


段々欲張りになってしまう。














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