15才でママになった理由(わけ)
奈都ちゃんにとって、俺は義兄、他の何者でもない。


自分で言って自分で傷ついて、相当バカだな。


奈都ちゃんに対するこの気持ちに、気付くのが怖い。


ベビーカーを押す奈都ちゃんの横を歩いた。


回り人の目にはどう写るんだろう。


公園に着くと何人かの親子ずれがいて、その中に昨日の検診で一緒だった親子がいた。


「又お会いしましたね。」


奈都ちゃんが不安そうな顔になる。


これ以上、奈都ちゃんに嫌な思いをさせたくない。


だから、適当な嘘をついた。


「今日風間がうちに来るって言ってたの忘れた。奈都すぐ帰るぞ。」


奈都ちゃんが俺の話にのってくれた。


「嘘聞いてないよ。帰らなきゃだめだね。」


奈都ちゃんが上手く話しを合わせてくれる。


この夫婦は昨日からかなりウザい。


奈都ちゃんの事若いママとか言ったり、俺の年を聞いたりして。

まさか、又この夫婦と関わる事になるとは思わなかった。


俺がベビーカーを押しマンションに戻ると、マンションの前に本当に風間がいた。


「おまえ、何でいんの。」


驚いた。


本当に風間がいたんだから。


もしかして、約束してたのか。
















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