first love
しかし、拓斗はそんなことでは納得しなかった。


「高校生でそんな奴いるわけないだろ!純粋ぶるなよ!」

拓斗は顔を真っ赤にして一歩百合亜に近付くと彼女の手首を強く握った。
「痛い・・・!」
彼女の腕は力を入れると折れてしまいそうだ。






ぐっと下を向いて拓斗は考えこんでいた。
自分の理性と闘っているのだろうか。




しかし、思春期の欲望は抑えきれなかったようだ。
拓斗は百合亜を強く抱きしめた。
「くっ・・・苦しい・・・!!やめて・・・・。」


彼女は弱々しい声しか出なかった。



もう一度拓斗が力を入れた瞬間、彼女の手術の傷に触れた。
「いやっ!!!!」
百合亜は突然強い力で拓斗をはねのけた。






彼女の目には涙が浮かんでいる。
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