first love
今日も二人は一緒に帰っていた。
たわいもない話に花が咲く。


「今日もいい天気だね。」百合亜が微笑みながら言う。
隼人も頷いた。


周りから見ればカップルに見えるかもしれないが、二人の間にそんな雰囲気はなかった。





「もう6月だもんね。あっついなあー。」
そう言って額の汗を拭って振り返ろうとした瞬間、くらくらと目眩が百合亜を襲った。


よろめいて倒れそうになった瞬間、隼人が百合亜を抱きかかえた。

「百合亜、大丈夫?」


そう言った隼人の腕は想像より遥かに細かった。


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