first love
「どういうこと?」
百合亜はよくわからずに聞き返した。


「俺、去年出席日数足りなくて留年になったんだよ。」
そう言う隼人の表情からは悲しいとも自慢気とも読み取れない。



「そうなんだ。じゃあひとつ年上なんだ。」
百合亜は世間知らずでなんと答えていいのかわからず、そう言うのがやっとだった。




「そうだよ。でも、今までと同じで全然いいから。もう俺一年だし、気にしないで。」

隼人は百合亜の目を見ずに言った。


百合亜も隼人を見ずに頷いた。


< 20 / 39 >

この作品をシェア

pagetop