first love
「それは違うわ。」
百合亜が悲しそうに言った。

「え?」
拓斗は驚いて顔を上げた。



「私、もう病気は治ったの。それは関係ないわ。病気だからって謝られるのならまっぴらだわ。」

百合亜は悔しそうに言った。



百合亜は、いちいち病人のレッテルを張られるのが嫌いだった。
気を使われるのが嫌で、ずっと隠していたのに。



百合亜は拓斗を潤んだ瞳で睨みつけた。
< 26 / 39 >

この作品をシェア

pagetop