first love
彼女は自分は生かされていると思っている。


生まれたのも母と父のおかげ。
こんな辛い病気と戦えたのも両親のおかげ。
高校に入学できたのも先生のおかげ。


(私、まだ何もしていない・・・・。)


彼女にとってのこの15年間は、長すぎるものであり、そして人生の通過点でしかないものなのだろう。



彼女は迷わず人ごみの中へ入っていった。
クラス分けの表を見るためだ。



1人で2階の教室まで上がった。
まだそんなに体力は戻っていない。
ゆっくり、ゆっくりと一段一段踏みしめて上った。



(ここが・・・私の学校・・・。)


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