イザヨイ〜私のおかしな恋愛記録〜
「あぁ……なんかね、この日本腐れ外道リア充株式会社筆頭株主の弥生さんが、その地位に従い、その人となりを十二分にお発揮になり、世界的にも私的にも大罪と見なされる行為を白昼堂々行ったわけ」
「………………えーと。 つまり………」
あぁ、やっぱバカだ。
「よく分からないけど、分かった! つまり、世界が悪いと!」
分かってないし。
「そう、世界が悪い! こーんな綺麗で可愛いエレガントかつビューチフルな私が、どフリーでいるのに誰も告白どころか、そぶりすら見せないなんて!! あぁ、憎い! 坊主憎けりゃ、袈裟までなんとやら憎い!」
「坊主がびょーぶに妙に上手にジョーズの上司の絵を書いたって、やつだね!!」
何やら、急にボルテージを上げる二人を横目に、弥生は静かにため息をついた。
「三鶴………」
買い物はした。
ほぼデートと言っても差し支えない、内容だった。
ただ。
幼なじみが抜けない。
親友から抜け出せない。
いいポジションだと思う。
でも、すごく動きにくい。
今の関係が好きだ。
もしかしたら、付き合うと、それが崩れてしまうかもしれない。
恐い。
途方もなく恐い。
だから、踏み出せないでいる。
「あ、そうだ。わすれてた」
ぽんと、バカが手を打つ。
そして、事も無げに、
まるで今日の学食の日替わり定食のメニューでも言うかのように、
ブチこんできた。
「さっき、みつるくん、ラブレターもらってたよ」
バカ野郎。早く言え!