初夏の香り、君の気配
目を細めて見ると、白いシャツと黒っぽいズボンのようなものが見えた。
頭はここからだと木に隠れて見ることはできない。
─もしかして、死体!?
火曜サスペンスか何かで見た、湖の畔に死体が横たわるシーンを思い出し、思わずゾッとした。
─…まさか、ね……
頭に浮かんだ血だらけの死体を振り切って階下に向かった。
ドアを開けると、もう太陽は大分山に隠れ始めていて、反対側の空には星が2つ3つ光り始めていた。