初夏の香り、君の気配


目を細めて見ると、白いシャツと黒っぽいズボンのようなものが見えた。



頭はここからだと木に隠れて見ることはできない。







─もしかして、死体!?






火曜サスペンスか何かで見た、湖の畔に死体が横たわるシーンを思い出し、思わずゾッとした。






─…まさか、ね……




頭に浮かんだ血だらけの死体を振り切って階下に向かった。








ドアを開けると、もう太陽は大分山に隠れ始めていて、反対側の空には星が2つ3つ光り始めていた。


< 8 / 11 >

この作品をシェア

pagetop