名前モモ、口癖ドブス、職業あたしの恋猫。
そしてブルルンッと細かく震えた光から声が響く。


「モチロンッ」


あたしは反射的にモモを抱きしめようとしたけど、その金色のモモはスッと腕をすり抜けて、クルクルッと円を描きながら一気に上に昇ってしまった。


「モモ!またお別れなんてもう嫌だよ!行かないで!」


大声を出して引き止めるあたしの頭上が淡い桃色に染まって、切なそうな声だけがゆっくり落ちてくる。


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