名前モモ、口癖ドブス、職業あたしの恋猫。
目に見える体の傷のほとんどが、絆創膏じゃ間に合わないサイズ。


こんなにたくさんの大きな傷、ちゃんと綺麗にならなかったらどうしよう。


そんな気持ちが胸の中に広がって、不安でいっぱいになりかけた時、あたしは思い出した。


怖くて淋しかったあの真っ白い空間と、そこに現れたモモを。


みんなの名前を呼んだけど、あんな所まで助けに来てくれたのはモモだけだった。もしモモが来てくれなかったら、ずっとあそこから出られなかったかもしれない。


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