FiFTEEN
そうだった…昨日、鞄に入れたままだった。


一枚一枚写真をみた。

…懐かしいな。小学校んときのだ。
でも、その写真には違和感があった。





あ、そうか。
渋谷が写ってないんだ。なんでだっけ?アイツ、こうゆうの好きだったはずなのに…

最後の一枚を裏返した。


そこには、みんなが固まって写っているのに、端っこにただ一人でっかく手を広げてピースをしてる渋谷がいた。






思い出した…
なんで写真に写ってないのか、なんでみんなと一緒にいないで端っこにいたのか、…そして、なんでアイツを嫌いになれないのか。


全部思い出した。

アイツに助けてもらったことがあった。

…小学2年のころ。



『ねぇ、はるちゃん帰ろうよ!』

親とケンカして家出をした。一人じゃ寂しかったから渋谷も誘ったんだ。


『なんだよ、楽しそうって言ってたじゃん。』

『そうだけどさぁ…腹減ったし、寒いし、眠いし、トイレ行きたい。』

『トイレ!?…そこらへんでしてこいよ。』

『やだよ~!…ねぇねぇ、帰ろう?今ならはるちゃんのお母さんだって許してくれるよ!』

『いや、絶対許さないね!』
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