FiFTEEN
『見つかったらもっと怒られるよ?』

『見つからないもん!』


そのときだった、懐中電灯の灯が顔にあたって、母さんの声がした。


『遥斗!!』

その後に姉ちゃんの声。

渋谷の母さんの声。

他に探してくれた人達の声。


見つかってしまった…


『あんたねぇ!ふざけんじゃないよ!?みんなに心配かけて!どれだけ探したと思ってんの!』


当時のオレはこんなことですぐ泣くようなヤツで、


『だっ、だって…』

『泣いたって許さないよ!』

『ごめ、ごめ…んな…さ、』



『ごめんなさい!!』

隣にいた渋谷が頭を下げた。

『ボクなんだ。はるちゃんを誘ったの。…ごめんなさい。』

なんで渋谷が謝ったのかわからなかった。



『…遥斗、ほんとなの?』





渋谷はまったく関係ない…
でも…オレは自分が怒られたくなくて、



『……うん…』





アイツのせいにした。


それ以上、母さんは何も言わなかった。

…だけど、次の日から渋谷は問題児扱いされ、他の親からは、冷たい目で見られるようになった。一緒に遊ぶことも禁止されて、そのうち…誰も渋谷に近付かなくなった。

オレもその一人だった。

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