FiFTEEN
何言ってんだ、コイツ。

グロスを塗った唇が目に入る。

「試してみる?」




いや…ヤバイっ!

このままだと…






お嫁にいけなくなっちゃうよ~!

だんだんと唇がっ…



ち、近い!!?




そのとき、


「わっ!」






…わ?

声がした方に振向くと、津賀が口をあんぐり開けてこっちを見ている。



そして…






「ああああああああ!!?!」



津賀が大声を出す。


その口をふさぐ。


「うるさい!バカ!!」

「だってっ…」

「チヨ、何もしてないよ。アタシはからかっただけ。こんなヤツ相手にしないし。」


こんなヤツ?

少しでも本気にしてしまった自分が恥かしい…


「津賀さん!?どうしたの!?」

津賀の声を聞いて伊藤くんが走ってくる。


「…何かしたの?」


多分、オレが津賀の口をふさいでいたから何かしたと思ったんだろう。

めっちゃ睨んでる。



「何もしてない。逆にオレが何かされそうになったの!」
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